『わが青春の聖子ちゃん』

80年代(特に前半)における松田聖子さんは、他の追随を許さない素晴らしい輝きを放っていた。
どんなにバッシングされようと、かまとと、ぶりっ子と言われようと、聖子カットは一世を風靡したしなんと言ってもその歌唱力と楽曲は素晴らしかった。
聖子ちゃんは誰がなんといおうと素晴らしいアイドルだった。キラキラしていた。
私もそんな聖子ちゃんが大好きだったひとり。
新曲が出るたびにその歌声を聴くのと衣装を見るのが楽しみでテレビにかじりついていたし、アルバムが出れば、貸しレコード屋さんで借りてきてテープにダビングし、飽きることなく聴いていた。
歌詞を覚えてよく歌ったなぁ。
なんであのとき、コンサートへ行くってことを思いつかなかったんだろう。

それにしてもそのときは、ユーミンや細野春臣さん、大滝詠一さん、佐野元春さん、財津和夫さんなどな錚々たるメンバーが曲を提供していてそれがどんなにことかなんてわからなかったけど、いやぁ、今聞くとすごいことだ。
曲を選んでいたスタッフも素晴らしいけれど、それを歌いこなす聖子ちゃんがやっぱりすごい。

最近、ある資料集めで久しぶりに聖子ちゃんの昔の曲を改めて聴いてみた。
ヤッシーが、「このアレンジ素晴らしいですよ」と聞かせてくれたのが「小麦色のマーメイド」だったのだ。
これはユーミンが作曲で、編曲が松任谷正隆さん。
もろユーミンの「パールピアス」の頃そのまんまの、都会的な洒落たアレンジですごくいい曲なのだ。
その当時のユーミンが大好きなヒロミちゃんもしびれていた。
勢い余って、聖子ちゃんのCDボックスを買ってしまった。4枚組み。
初期の曲、かなり歌えるなぁ。やっぱりいい曲も多いし、声も素敵。
「蒼いフォトグラフ」名曲。
掃除機かけながら大声で歌ってみた。気持ちいいなぁ。
アレンジやらは古く感じるものももちろんあるけど、その歌声は時代を超えて説得力がある。
時代を動かすこんなアイドルはもう現れないんだろうな。
初期のアルバム、全部揃えちゃおうかなぁ、と密かに考えるアタクシ・・・。

 

『BOOK-』

素敵な本を見つけてしまいました。
最近の、部屋大掃除計画実行で雑誌類なども思い切り捨てたところ。
でも、雑誌って整理しているとついつい読みふけっちゃったりして掃除が進まないとき
がままある。
ご多分に漏れず、そんな風にだらだらと整理していたとき、けっこう前の雑誌の本のレ
ビューで気になる本を見つけた。
それがこれ『RING BELLS HAND TALK=HEART TALK』(門秀彦著/ぶんか社)
以前、『RING A BELL』という
アルバムを出したことのある私
としては気になるタイトル。
そしてなんと言っても、この表
紙のこの本が、手話の本だった
というところに惹かれた。
さっそく注文して購入。
これがとても素敵な本だったの
です。
グラフィックデザイナーとしても活躍する著者の門秀彦氏のご両親は、耳が不自由だと
いう。そんな彼が、手話は特別なものではない。
人と人とが関わるコミュニケーションのツールのひとつにすぎないのだ。
ということを、分かりやすく親しみやすい絵で、私たちが日常的に使う言葉を紹介して
いる。それは、よく海外旅行に持っていく、指差し会話ブックみたいで、見ているだけ
でとても楽しいし、それを見ながら、「スキ」「キライ」「マジ?」「ムカツク」「ウ
レシイ」「シマッタ!」などなど自然と手も一緒に動く。
そうして1冊読み終わったとき
に、なんだかとても嬉しいとい
うか、とても愛しい気持ちにな
った。
「特別な人しか使わない、特別
なサインで私には難しいもの。」
と勝手に思いこんでいた手話が、
こんなにも身近に楽しく体に入
ってきて、特別なものではない
んだな、と思わせてくれたこの
本は、とても愛が溢れていて、
素晴らしいと感動してしまった。
言葉が使えても、耳が聞こえて
も、コミュニケーションに問題
がないかというとそんなことは
ない。
この本を通して、コミュニケーションの意味も考えさせられた。


『キリンジ』

キリンジ(http://www.nfl.co.jp/kirinji/kirinjitop.html)を初めて聴いたの
は、1997年のインディーズ盤1st シングル『キリンジ』だった。
大好きな、かせきさいだぁのお友達がデビューするということで聴いてみたら、ツボ
だった。もろ。
「風を撃て」「野良の虹」など。何度も何度も、レコード時代だったら擦り切れるほ
ど聴いて口ずさんでいた。
2ndシングルの「冬のオルカ」、「双子座グラフィティ」「雨を見くびるな」とか、
出すたびに聴くのが楽しみだった。
もうね、大好きなのね、ああいうメロディー。たまらなく切ない気持ちになったり、
ワクワクしたりするんだよね。
それと歌詞。
情熱とそれをあらわす諧謔を弄する言葉。素直さと皮肉。
言葉の選択のセンス。
素晴らしいアーティストだと思います。

で、今回9月26日に発売になりました新しいアルバム『For Beautiful Humanlife』
資料の歌詞を見て、まず感動してしまいました。
なんてこと! これ普通に読んだら歌詞じゃない。まるで小説。
音を聴いていないのにそこから世界がどんどん広がる。
すごいなぁ。進化しているんだなぁ。
聴いてみたらそのクオリティの高さにまたびっくり。
甘いだけではない、その洗練された世界にまたノックアウトでした。

車の中で、部屋で、ヘビーローテーションで聴いているんだけど、また次の作品を期
待してしまう数少ないアーティストなのです。
1stシングル探したらなかった! 
ショック。
誰かに貸したままなのかな・・・?
がっくり。(29/10/2003)
 

『セロニアス・モンクトリオ』

みなさん、こんにちは。
いつもメールありがとうございます。

今回は、みなさんからいただいたメールの中にこんな質問にがありましたので
それにお答えしたいと思います。



「はじめまして。
 先日、ユンソナさんとかと秋葉原にいってた番組でスピーカーの館でかけて
 た、なんとかトリオっていうCDを教えてもらいたいのですが・・・・。ディス
 クユニオンに探しにいったのですが、なんとかトリオってたくさんあって、
 そもそも、なんとかトリオじゃなかったでしたっけ??
 教えて下さい。気になって気になって・・・・。お願いします。」

気になって気になって、夜も眠れないと困るので(そんなことはないか?)。
この方は、9月の頭に放送されました「ホリデースタイル」をご覧になったの
ですね。番組の中で、秋葉原の『ダイナミックオーディオ』に行ってスピーカ
ーを探しまして、そのとき持参したCDのことでしょう。
それは、
セロニアス・モンクトリオ
です。
はい、これ。
大好きなピアニスト、セロニアス・モンクの1952年と'54年に録音された演奏
が入っています。
素晴らしいです。耳を凝らして、何回も何回も聴いてください。
モンクの情熱が聴こえてきます。

しかし、何とかトリオで探すとは無謀です。何せ、ジャズに何とかトリオって
死ぬほどあるもんね。
セロニアス・モンクも、トリオだけではなく、4人、5人でやっているもの、
オーケストラとやっているもの、もちろんソロのものも何枚もあります。
『SOLO MONK』も素晴らしいアルバムです。(1/10/2003)
 

  『ジョアン・ジルベルト』

9月16日火曜日。東京国際フォーラムホールA。
伝説のブラジルミュージシャン、ジョアン・ジルベルトの来日公演に行って
まいりました。
ボサノヴァを創作した人。
変わり者。以前、公演をキャンセルして訴訟問題にまでなったことなどなど
数々の伝説を残しているという人だけに、本当に公演は実現するのかなど、
コアなファンの間では話題には事欠かなかったようです。
1日目に行った人から聞いたところによると、公演は1時間も押して始まった
という。
「すごい人だなぁ。でもまさか、最終日くらいそんなことはないだろう」と
思いつつ公演の日を待った。

ジョアン・ジルベルトといえば、ボサノヴァ。
美しいメロディに、つぶやくように、ささやくように歌をのせる。
その声は何物にも代えがたいギフト。
スタン・ゲッツとのアルバム「ゲッツ/ジルベルト」は、今もって色あせない
私にとってのエバーグリーンであります。
どんなコンサートなんだろう?コアなファンでなくとも期待は高まる。

当日、少しは押すだろうとは思いつつ、時間には遅れないように会場に着いた。
本人の希望により、会場のエアコンはストップ。空気が停滞して、蒸し暑さが
席を覆う。
ステージには椅子が1脚。小さなテーブルの上には水となぜか時計。
開演時間を少し過ぎた頃、アナウンス。
「出演者がまだ到着しておりません。こちらに向かっていますので今しばらく
お待ちください」とか何とか。少々のどよめきと笑い。
それが当たり前のことのようにみんな受け入れている。
15分過ぎ、30分過ぎてもまだ始まる気配なし。またアナウンス。
45分過ぎ、いよいよ1時間経ちましたという頃、始まる気配を見せてきた。
開演1時間10分くらいおしたのか? 本人登場。
スーツにネクタイ。きちんとして静かなたたずまい。
なんだか大学の教授みたい(イメージ)。
客席は興奮に包まれているけど、本人が席に着きギターを弾く体勢になると、
拍手はぴたっとやんだ。

ギター1本。あとは声。
それだけの潔さ。淡々と、ただ淡々と歌う。
「うわぁ、あの声だ。あのままの声だぁ・・・・!」と感激。ぐっと感動。
確かに歳は感じるものの、素晴らしい歌声。
紡ぎだされる音色は、本当に美しい。
前半は知らない曲が多かったけど、その音色には引き込まれたなぁ。
「one note samba」まで聴けて、得した気分。
エアコンを止めていることを謝りながら、以外に早く公演が終了した、と思
ったらアンコール。ちゃんとアンコールもやってくれるんだ。

アンコール1曲終わった後、盛大な拍手が鳴り響く中、ジョアン・ジルベルト
が下を向き、左手を膝に置いたまま動かなくなった。
「おお、感激しているのか!?」と最初は思ったけど、そこからなかなか動か
ない。だんだん体が下に傾斜してくる感じがする。
「え?もしかしてあまりの暑さに気分が悪くなったのかしら?」
5分たっても動かない。
「ま、まさか・・・あまりの歳だし・・・・地球の反対側からの移動は大変だっただ
ろうし・・・・時差も・・・・まさか・・・・」
あ、でも指が動いてる。ホッ。
10分くらいたってもまだ動かず。どうしちゃったの!?
鳴り止まない拍手にどこかから
「拍手やめて! やまないと始まらないよ!」と、何回か公演を見ているらし
き人から怒号。
でもそんな声は全体には届かない。またしても
「静かにしてー! 始まらないよ! 拍手やめて!」
すると
「拍手が足りないんだ! この前はこれで盛り上がったんだ!」
と怒号が乱れ飛ぶ。
そんなことはお構いなしに動かないジョアン・ジルベルト。
もちろん拍手もやまない。
20分くらい経ったのか、袖からスタッフ登場。
彼の肩にそっと触れるとジョアン・ジルベルトはふっと顔を上げた。
そしてなにやらポルトガル語で喋り、「ありがとう。ジャポン」と言ってまた
演奏を始めた。
・・・・・・・・寝てたのか!?
後日ラジオで、あのとき彼は、「日本の皆さんのあたたかさを感じていました。
ありがとう。日本」というようなことを言っていたのだ、と言っていた。
そうだったのか。
その後、またろうろうと歌い上げ、11時近くに公演は終了した。
1杯の水も飲まずに最後まで。すごいなぁ。

歳をとっても音楽への情熱は変わらないような素晴らしい演奏と歌声。
貴重な体験をした夜だったのでした。
ああ、もっと小さなホールで聴きたかった!
それは欲張りすぎか・・・・。(24/9/2003)
 

『JAZZ』

この前タワーレコードに行ったとき、売り場の端のほうにDVDをちんまりと
いている場所があった。
そんなところを観たのは初めてで、でもそのDVDたちは、ジャズミュージシ
ャンたちの映像ばかりで、かなりそそられるものが多かったのだ。
で、数ある中で迷いに迷って買ったものが2枚。その中の1枚をご紹介。
何かのテレビ番組の1958年から1961年
までの映像らしいのだけど、これがす
ごいのですよ。
スタジオのような、倉庫のような場所で
繰り広げられるいろんなアーティストの
演奏が収録されているのですが、
「おお、ビリー・ホリデイが出番じゃな
いのに写ってるよ」
「ああ、カウント・ベイシーに耳打ちし
てる!」とか、ビリー・ホリデイが歌っ
ているときの素晴らしい表情だとか、セ
ロニアス・モンクの演奏。
それを興味深げに観ているカウント・ベイシーの姿とか、もう今ではもちろん
見ることのできない姿の数々がこのDVDには詰まっている。
ニヤリともしないマイルス・デイビスの「So What」、そこから途切れること
なく続く、マイルス参加のギル・エバンス指揮ビッグバンドの演奏など。
本でしか読んだことのない交流関係や、彼らが出す音を感じることができる。
こういう、世界の音楽の歴史を記録した映像とは全然次元が違うんだけど、前
に従兄弟の家で、姉の子供の頃の映像を見せてもらったことがあって、写真と
は違って動く幼い頃の姉を見て、なんだかすごく感動したことをちらっと思い
出した。
その時代の瞬間、空気を記録する映像ってすごいんだなぁ。
改めて感動したのでありました。(13/8/2003)
   

マイルス・デイビス

最近、音楽的に満たされている私。
先週はライブによく行きました。
先月初めて見てすっかりファンになってしまった神谷えりちゃんのライブにまた行ってきた。
しかも2日連続(!)。
南青山のBODY&SOULでは、また更に大人の女性らしい魅力爆発で気持ちのいい夜を過ごせたなぁ。
この前CDをチェックしに行ったとき、初めてマイルス・デイビスを購入。
なんとなく、難しそう・・・・とか思っていたし、それに何枚もアルバムがあるから何を買っていい
かもわからなかったし、手を出さずにいた。一緒に行った友達に
「実は私、マイルス買ったことないんだよね」というと、その人は大変驚きあげて、
「じゃあ、これを買ったらいいんじゃない?」と
『RELAXIN'』と『KIND OF BLUE』を薦めてくれた。
家に帰って聴くと、「おお!知っている曲ばかりではないか!!」と感動。
それに、とても心地良い。いい曲ばかり。
でも、その教えてくれた人によると、当時としては有り得ない演奏テクニックなのだという。
へぇ。難解なものを難解に聴かせない技術というのもすごいな。
いや、受け取る側の問題か。何気なく聴けばするっと通りぬけてしまうけど、じっくり聴いたり、
そのときの状況とか知っていたりすると、また違うんだろう。
先日お会いした、ジャズ歴ん10年、歩くジャズ生き字引の伊藤氏は、
「最初聴いてわからなくても、100回くらい聴くと、突然わかる瞬間があるんだよ」
と、可愛い子供を愛でるようなうっとりした目をして、頬を緩めておっしゃっていた。
そうか、そういうものなのか。まだまだ勉強不足。たくさん、いろんなもの聴こうっと。
楽しみだ。
で、私は今マイルス・デイビスの自叙伝を読んでいる。
影響されやすい単純なヤツ、まさに私のことだ。(5/20/2003)
 

アン・サリー

 ああ、またしても天気のいい日に、サバンナバンドを大声で歌ってしまった。車の中で。
 車の中は、音楽を聴くには絶好の場所であります、わたしにとっては。
 サバンナバンドなんてかかった日には、歌わずにはいられなくなります。
 で、誰を気にすることもなく大声で熱唱。
 偶然、信号待ちとかで隣に居合わせた人はびっくりするはず。
 でも、そのときは完璧に自分だけの世界なので、人に見られることなんて全然考えていない
 のです。気持ちよかったなぁ。                 
 さて今日は、この前久しぶりにタワーレコードに行って、大量にCD購入したときに当たった
 CDのご紹介。
 何フロアーかにわたって大々的に宣伝していたこの人、アン・サリーのアルバム。
 http://www.soulbossa.com/annsally.html#
                 
 最初、ジャズのフロアで見ても気に留め
 なかった。次に洋楽のフロア。
 「あ、またたくさん出てる」
 とか思いながら手に取らず。
 そして邦楽のフロアでまた発見。
 いよいよ手にとって見てみる。
 現役ドクターでありながら、歌も歌って
 いるというアン・サリーさん。
 ジャケットも涼しげないい感じだったの
 で、2枚同時に発売していたアルバムを
 両方購入してみた。
 
 聴いてみるとね、これがよかったのよ!びっくり。 金延幸子かマリア・マルダーかという感
 じの心地よい声。
 そして、このボーカルの魅力を知り尽くしたかのような選曲!  ・・・・なんとも気持ちがいい。 
 個人的には緑のアルバム『moon dance』が好き。
 「蘇州夜曲」や「星影の小径」は、本当にしっとりと心にしみるいい曲だなー、と改めて実感
 するし、二ール・ヤングの「Only Love Can Break Your Heart」やスティービー・ワンダー
 の「Happier Than The Morning Sun」。おまけにハース・マルチネスの曲も! 
 心憎い曲ばかり選んでくれているのよ。
 そして最後はフェアーグラウンドアトラクションの「Allelujah」。
 涙が出たね。またしても一緒に熱唱。熱唱。
 もう1枚の『day dream』には吉田美奈子さんや、佐藤奈々子さん、細野晴臣さんなどの日本の
 一時代を築いた方たちの曲のカバー。そして、アラン・トゥーサンのカバーも。シビレたわぁ。
 こんなに濃い方たちの曲を歌っているにもかかわらず、暑苦しくならず涼やかな風が吹くよう
 な声のアン・サリーさん。ぜひライブ、観に行きたい! 
 姉の胎教にも聴かせようかしら・・・・。(4/28/2003)
 

Everything She Said

久しぶりにタワーレコードへ。
大量のCD、DVDを物色。
CD屋さんは、本屋さんと同じくらい楽しいなぁ。いくら時間があっても足りない。
聴いてみたかったものや、ジャケット買いのもの色々。
TOKUのデビューアルバム『Everything She Said』とか買ったりして。
これがなかなかよかった!『CHEMISTRY OF LOVE』のようなメジャー感とはちょっと違って、
瑞々しく硬質な魅力があふれている。TOKUの声にはいつも胸がぎゅっとつかまれる。
思わず顔が緩んでしまったのは、大好きな“DR.BUZZARD'S ORIGINAL SAVANNAH BAND”の
ベストがあったこと。
すでに持っているCDを見つけ、「また買っておこーっと」なんて思って手に取ったら、その
後ろにベストが・・・・。激シブなジャケットに思わず、ニンマリ。
入っている曲は大して目新しいものがないけど超嬉しい!
今それ聞きながら書いているところ。これから夏にかけて、明るい太陽の下で、あるいは赤く
暮れる夕方時に聴きたいアルバムです。
勢いづいて、80年代の“エルボウ ボーンズ&ラケッティアーズ”とか、聴きたかったんだけ
ど見つからず。CD持っていたけど、誰かに貸したままなくなってしまったのよね(泣)。
誰か譲ってくれないかしら?
あとは、
Thelonius Monkの『MONK'S DREAM』とか
Michel PetruccianiとかSteivie Wonderの
インストアルバム『Alfie』とか、SOULIVEと
か脈絡なく買いあさって、どことなく満たさ
れていなかった胸の隙間がだいぶ埋まった感じ。
これから気合入れて聴かなくちゃ!
 
オススメCDがあったら、また報告しますね!
(4/14/2003) 
 

LONDON IS THE PLACE FOR ME

久々に行った洋服屋さんで、CDまで買ってしまった。
白金の『アダム・エ・ロペ』に行ったんだけど、久しぶりに行ったら、
なんだかずいぶん雰囲気が変わっていた。
洋服以外にアンティークの可愛い小物がずいぶんと取り揃えてあって店の1階はアンティーク
屋さん独特の匂いがした。
ひと通り店を回りレジに行くと、その横にいくつかのフライヤーとCD。 
ライ・クーダーやマッシブ・アタックの新作、WACKIE'SというレゲエのレーベルのCDなど、
 なんとなく、その人の好み、世界観がわかる選択。
で、この音楽。
これからの季節、天気のいい昼間、
掃除でもしながら聴きたい感じ。のんきで、
明るくて、こういう音楽が流れている風景は
ウキウキする。
そう、流しているだけでいい。
なんかこういう音楽好きなのよね。
ゆるい浜辺で聴くような。
というわけで、これから夏に向けてオススメ
の1枚。
レコード屋さんでうっているかどうかはわか
らないけど。(あ、今どきはレコード屋さん
っていわないのか・・・・)
(3/24/2003)
   

吾妻光良とスインギンバッパーズ 

ひっさしぶりに、見ちゃった。
もう、すんごい待ち遠しかったんだもんね。
たぶん、これを読んでいる方でご存知の方あまりいらっしゃらないと思うのですが、十年ほど前から
大好きな“吾妻光良とスインギンバッパーズ”というグループがいるのですが、そのライブを、実に
8年ぶり(?)くらいに見てきました!  バッパーズの活動って、活発じゃないんです。
何せ、去年新しいアルバムが出たらしいんだけど、それが10年ぶり!
知らなかった・・・取り寄せなくちゃ。
ライブは何回かやっているみたいだけど、細かくチェックしていないといつやったのかわからない、
という始末。ファンとしてはその動向を見守るのは大変なのだ。
吾妻光良とスィンギンバッパーズはご機嫌なブルース、ジャンプ、ジャイブを演奏するビッグバンド。
ほとんどがミュージシャン一筋ではなく、他に職を持っている人たちなのです。
それゆえか、ビッグバンドゆえか、彼らの活動はゆーっくりしすぎなのです。
それなもので、その告知を見つけてときは、即チケット購入に走りました。渋谷のクラブクワトロに
行くのもどれくらい行っていないか忘れるくらい本当に久しぶり。
一緒に行くはずだった相手が急遽行けなくなり、一人で行くことになってしまった。この日は「BLOW 
YOUR HORNS」というイベントで、管楽器をあやつる三組のバンドが出演。
バッパーズは一番最後の出番。ライブが始まるまで、DJが音楽をかける。ロックステディがとても
心地よく響く。
最初のバンドSLY MONGOOSEが始まると会場は徐々に熱気につつまれていく。
かっこよかったなぁ、SLY MONGOOSE!ジャジーさとハードさが織り交ざって、とてもか
っこいい。
「いい演奏してるんだけどなぁ」と冗談交じりにトランペットの人が言ってたけど、いい演奏してま
したぜっ! 私が言うのもなんだけど。
次のBLACK BOTTOM BRASS BANDは入り口からの登場で会場を沸かしていた。
明るいブラスバンド。そういえば、紅白に出てたなぁ。
そして真打、吾妻光良とスインギンバッパーズの登場!会場はいつのまにかすし詰め状態。
熱気も最高潮。それまでおとなしく見ていた私も、歓声を上げていた。
吾妻さんの詞は、中年男のわびしさとか切なさとかどうしようもなさ(悲哀?)とかをとても身近な言
葉で歌っていて、思わず「うんうん!」と深くうなずいてしまうものが多い。
「齢には勝てないぜ」「俺の家は会社」「人間だって動物だい」などなどタイトルを聞いただけで切
ない。私は中年男性ではないけれど、それを聞くとその絵が浮かぶ。
そして、悲哀なんだけど、ワハハと笑ってしまうユーモアがある。歌詞がダントツ面白いのだ。
そこがやめられない。一度聞いたら、病み付きになる。
十年前より、少し太り、また少し薄くなった髪を振り乱しながら吾妻さんが歌う。無理してラップま
で入れたりしている。でもギターは十年前と変わっていない。
一緒に歌い、掛け声を上げ、最後の「ほんじゃね」という曲でジーンとした。さらに渋み(?)を増
した吾妻さんはやっぱり最高だったのだ。
彼らの良さはやっぱりライブで味わうのがいい。
もう少しライブ増やしてくれればいいのになぁ。(2/7/2003) 
 

  『座頭市』

ベネチア映画祭に出品された北野武監督の『座頭市』。
ニュースを見たところ、すごいスタンディングオベーションですごかったという。
すっごく嬉しい。なんだか勝手に、誇らしい気分。
かっこいいなぁ、たけしさん。                 
さて、その『座頭市』、NOTEBOOKでも書いたように、私も一足お先に観
ました。
素晴らしいたけし流エンターテイメント。
これから公開なので多くのことは話せませんが、この感動を何とか伝えたい!
あのね、まず、リズムが気持ちいいのです。
番組の収録の合間、そのアイデアをたけしさんが話していたとき、正直、全然想
像がつかなかった。
時代劇でタップ??? どうなっちゃうの? 
しかもみんなが知っている座頭市で???
そんな感じ。
そのリズムが映画全体を引っ張っているなんて、ちょっと驚いた。
でもそれが気持ちいい。
たけしさんがタップを習っているTHE STRIPESのメンバーがすべての
タップの振り付けをしている。すごいことしちゃうのね、たけしさん。
それと、芸に対する愛情がひしひしと感じられるところが素晴らしい。
たけしさんが浅草時代に培った芸がここでがっしりと実を結んでいる。
考えられないくらい早い殺陣といい、随所に盛り込まれるお座敷芸などなど。
お楽しみも満載なのです。 
映画への愛、一筋縄ではいかないぞ、と思わ
せる座頭市への愛、芸事への愛。
それらが謙虚さと自信とを持って作品になっ
ていて、北野色になっている。
そこに、私はとても、たけしさんの品のよさ
を感じました。                 
是非とも大きいスクリーンで見て欲しいです。
私はもう一回、ちゃんと観ます。
今田さんもそう言ってました。
浅野忠信さんとたけしさんのかっこよさも堪
能できます。
シビレますぜ。(11/9/2003) 
 

    『CHICAGO』

週末、人でにぎわう渋谷の町に『CHICAGO』を観にいってまいりました。
なんだかワクワクするなぁ。久しぶりの週末の映画。
早くに仕事が終わり、夕方の回を観にいった。
銃弾一発で有名になれる街。まさにその通りの1920年代のシカゴ。
頭からいきなり、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが、あのダイナマイトなボディをこれでもか!
というくらい弾けさせ歌い、踊る。
迫力満点。もうそれだけで得した気分。
レニー・ゼルウィガー『ブリジット・ジョーンズの日記』のころに比べたらすごく細いの。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズと並ぶとちょっと貧弱な感じ。
やっぱり、あれくらい迫力がある体じゃないとワクワクしないんだな。
人気を奪われたゼタ・ジョーンズが、レニー・ゼルウィガーにコンビを組まないかと話を持ち出す
ときに歌い踊るミュージカルシーンがお気に入り。
がんばるなぁ、ゼタ・ジョーンズ、あっぱれ!て気分になった。
ミュージカル部分も凝っていて、みんなそれぞれ歌が上手い。
リチャード・ギアは、ご愛嬌って感じだけど(笑)
衣装もすごくうまく出来ているし、週末の夜に観るにはかなり楽しめる作品でした。
映画の後は、歩いてタワーレコードへ。
この前来たばかりだし、今日はないだろうなと思ったけど、またCD買っちゃった。
セルジオメンデス&ブラジル'77『LOVE MUSIC』なかなか楽しい。
後は、新譜を何枚か。
ご飯食べて帰宅。充実の週末なのでした。(6/3/2003)
 

映画・アキ・カウリスマキ監督

昼間、ビデオでキャメロン・ディアス主演の『クリスティーナの好きなこと』(6/25発売)
を見てゲラゲラ笑い、夜はアキ・カウリスマキ監督の『過去のない男』
(http://www.eurospace.co.jp/kako/)を見に行く。なんという落差。
しかし、けっこう好きなんだな、『クリスティーナの好きなこと』みたいな、典型的アメ
リカ青春おバカ映画。キャメロン・ディアスも好きだし。同い年。
天真爛漫な明るいところがいい。役の上でしか知らないんだけど。
最後のおまけ映像も相当笑えます。       
で、夜に観た『過去のない男』で今度はジーン。
やっぱり好きだなぁ、アキ・カウリスマキ。
どこかからヘルシンキにたどり着いた男が暴漢に襲われ、自分の一切の過去を失う。名前も、
住所も、仕事も、結婚していたかも、何が好きかもわからない男は社会から見たら透明人間
のような存在。それでも人生は前にしか進まない。
男はささやかながらも新しい自分の生活を築き上げていく。
名前も社会保険番号もない男は、社会からははじかれる存在だけど、助けてくれる人たちが
いて、友達ができて、好きな女性も現れる。仕事もできる。
人生は前にすすむしかない。
人間って、生きるって、なんだろうかね?とカウリスマキは問いかけているよう。
カウリスマキ監督の映画は、いつもとても心にしみる。
不条理に悩まされる庶民や、その慎ましい生活や、哀しみやおかしみを、とても温かい目で
見つめている。
とっても暗い話だったりしても、そこには必ずユーモアがあり、観終わった後にはほんのり
と心をあったかくしてくれる。
この前「ニュース23」で、筑紫さんのインタビューに相当酔っ払いながら答えていた「ユー
モアがなければ生きていけない」と言っていた監督の姿が印象的だった。
今回のはいちばん、やさしく、やわらかい作品だったかも。
この監督のほかのオススメ作品は『ラ・ヴィ・ド・ボエーム』とか『浮雲』。個人的に。
(4/21/2003)
   
 

マイルス・デイビス自叙伝

この前、初めてマイルスのアルバムを買ったって書いたときに、自叙伝を読み始め
たって言いましたね。それが先日読み終わったんですわ。                    
もう面白いのなんのって。びっくり。 
びっくりその1→マイルスがよくこれだけ細かく昔の色んなことを覚えているな、
               ということ。
               年代とか一緒にやったメンバーだとか、ドラッグにはまっていた
        というのにその時の状況だとか、精神状態だとか。
        「ああ、ここんとこもっと詳しく知りたい!」ってとこはあった
        りするのですが、その臨場感あふれる語り口には、読むものを惹
        きつける力が十分にあります。
        マイルスがバード(チャーリー・パーカー)に憧れてNYに渡り、
        当てもなくバードを探し、「もうダメかのぉ」なんて時に現れち
        ゃうバードとの出会いのとこ、しびれた。尊敬してやまないバー
        ドを結構、こき下ろしているとこもすごい。
               マイルスのコルトレーンに対する思いとか、歯のおかげでコルト
        レーンのあの音が出ていると信じていたマイルスが、ある日、歯
        の治療をするというコルトレーンに対して、本当に泣きそうにな
        りながら「治療をやめろ」って言っちゃうくだりとかもクールな
        マイルスの笑える一面。
               そういうのを全部話しているマイルスって、かわいいとか思える。
びっくりその2→ものすごい勉強熱心なところ。
               天才なのだろうけど、探究心がものすごく強く、そして勉強熱心
        だったんだな、と読んでいるとわかる。
               常に新しいものを求め、作り上げていくことに邁進する姿勢は、
        誤解を招くことも多々あったようだけれど本当に感心してしまう。
               ジャズのグルーブを重々理解したうえで、でも行き当たりばった
        りということがない人だったんだな。
               多くのジャズマンが、音楽なんか勉強したらろくな音が出せなく
        なると思っていたときに、マイルスはいいと思ったものは何でも
        勉強して取り入れていたようなのだ。
               ビル・エバンスにクラシックを聴いたらいい、と言われれば、ク
        ラシックも聴いて勉強した。(彼はビル・エバンスのピアノが好
        きで、何度も電話口でピアノを弾かせたという。そ、そんな贅沢
        な!!!)ガールフレンドがダンサーや、女優なら、一緒にいろん
        な舞台を観に足を運ぶ。
             常に、自分のオリジナルな音を探り、作りあげていったマイルス
        はすごい。
何かと扱いにくいとされていたような人らしいけど(まあ、天才と言われる人は得
てして人にそう思われるのかもしれない)、褒められると嬉しいという結構かわい
い部分もあり、とてもストレートで、嘘がなく、勉強熱心で、女好きという人間く
さい人だったんだろうな、ということが伺える。
でもやはり、一番の功績は世の中に素晴らしい音楽の数々を残したということにつ
きるんだな。
マイルスの歴史は、そのままモダンジャズの歴史、といわれることがよくわかる本
だった。(6/27/2003)

牢屋でやせるダイエット

目的があるわけでもなかったが、またしても本屋に入っていろんなものを
物色していたとき目に入り、迷わず手に取った本。
『牢屋でやせるダイエット』中島らも著。
もう出たんだ・・・・。最高だなぁ、このタイトル。
絵もいい。
2月4日、大麻取締法違反で逮捕された作家の
中島らも氏が、逮捕された日から、22日間の
拘置の後、裁判で判決を下されるまでを綴った
作品。笑い事ではないが、思わず笑ってしまう
逮捕の日からこの本は始まる。
高圧的に迫る警察官に
「おい、おれはな、まだ犯罪者として確定したわけじゃない。
だからそれまでは“敬語”を使えっ」と言い放ち、“はい、わかりました”
と言わせてしまうところなど、妙に笑える。
威丈高な権威に対してとても正当な言い分だけに。
淡々と飄々と状況を語る口調がすごく好きだなぁ。                 
拘置所での馬鹿馬鹿しいとも思えるシステム。
(それをまた淡々と語り、結果とても皮肉に満ちた映画『刑務所の中』も
面白い映画だった)それに反抗する中島氏も面白い。
でも話は面白おかしいだけではないんだな。
拘置所では、「お前は有名人やから、ややこしいトラブルが起きんように
独房にしといた」という配慮から独房で過ごすことになる。
寒さと不眠と戦い、脳溢血の危険にさらされながら22日間を過ごす。
「膨大な時間に窒息させられるか、あるいは気が狂ってしま」わないよう
に、彼は詞を書き、毎日起こった出来事を記し、心にひっかかった発言を
メモする。
独房で誰とも話さず、何もすることがないと、結局真っ向から自分と向き
合わなくてはならなくなる。考えることしかすることがなくなるのだ。
「独房先住者からのメッセージ」から「未決囚心得九ヶ条」「追い詰めら
れた人間を救ってくれるもの」までなんか、泣ける。
ちなみに、タイトルに“ダイエット”と銘打っているが、身体的なダイエ
ットなどもちろんしていない。
寒さに耐えるためには皮下脂肪を増やすのが有効だと考えた彼は、それを
増やすことに成功する。
結果、4キロ太ったらしい。その後の入院でさらに2キロ・・・・。
ちょっとした皮肉か。
らも氏が拘置所で失ったもの、得たものとは?
興味深い作品でした。(8/1/2003)